上着に金庫の鍵を入れっぱなしでクリーニングに出しちゃった

以前、上着に金庫のカギを入れっぱなしでクリーニングに出してしまったことがあります。もちろんそのことに気が付いていたならば、すぐにそのクリーニング屋に行ってカギを取り戻していたことでしょうけれど、運の悪いことにどこで失くしたのかは全く見当が付いていなかったのです。
さんざん探し回ってみても、当然ですがカギが見つかることはありませんでした。その間、わたしの事務所の金庫は開けることができず、当面の運転資金は銀行の融資によって賄ったのです。このまま金庫のカギが見つからなければ、その扉を壊してしまうしかないと思いはじめていたのです。
いよいよどうすることも出来なくなって一週間後、クリーニングとともに袋入りのカギが返却されたとき、はじめて金庫のカギごとクリーニングに出してしまったんだと気が付きました。

こうしてなんとか金庫を壊さずにすんだのですが、同時にわたしはあることに気が付いたのです。それは「クリーニング屋の対応」でした。もしも上着をだしたクリーニング屋が、ポケットに入ったカギに気が付いた時点で連絡をくれていたなら、もっと早い段階で騒動は収まったことでしょう。また、クリーニング屋がポケットに入ったカギを「ゴミ」として扱ってしまったら、金庫は壊さなければならなかったでしょう。そしてカギの存在自体に気が付かなかった場合、おそらく金庫のカギがポケットに入ったまま返却され、今回と同じ結果になったことでしょう。

それ以来、地方出張の多いわたしは出張先でクリーニングに出す衣類のポケットに、必ず小物を入れるようになりました。もしもクリーニング屋がそれに気が付かなければ二度とその店は利用しないかわりに、気が付いて連絡までくれるようなところは次回から使い続けるというわけです。
こうしてわたしは、優良なクリーニング店を見つける方法を知ることになり、いまでは安心して衣類をクリーニングに出しているというわけなのです。